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希望虚構怪奇私

2010/07/01 23:17
六月は希望の国のエクソダス青少年のための自殺学入門孤島の鬼とまあそれぞれに読みごたえのある本を読みました。

希望の国のエクソダスは二回目であらすじは知っていたのだけど、昔に読んだときは経済の辺りの話がよくわからなくて、今も理解したとは言い難いのですが、別にこのくだりは要らないんじゃないかと思います。
「この国には何でもあります。でも希望だけがない」という発言をする日本人の中学生なんて、なんだかあんまり実感できないです。そんなこと言いだすくらい国の仕組みや性質についての日本を考える若者。
自分の国や国の仕組みについて関心が薄いのが日本の特徴のような気がしているので、そんな若者が集団で現れること自体が希望なんじゃないかなあ。たとえ若者たちが日本から自立してしまったとしても。
(たびたび、主人公の懸念していることがよくわからなくて、それはきっと大人として恥ずかしいのではないかと思った。)


青少年のための自殺学入門はただただ格好いいです。
「死とは虚構である!なぜなら誰も自分の死に触れたことがないのだから」とかなんとかでもういちいち跪きたくなります。自殺する機械というのは、まさに舞台装置ですね。
間接的な他殺でなく、純粋な自殺。自殺の方法や演出や理由を用意してまさに自作自演と言える舞台を完成させること。これすなわち至高の贅沢!
ま、詳しくは読んでください。彼は天才です。
こんなに格好いい人がこの世にいたのですね。余談ですが、私が思わず跪きたいと思うほど格好いいと思う人ってだいたい虚構じみています。あんまりいませんけど、たまに実在するんですね。いえ、実在しないのかもしれません。

孤島の鬼。
大変でした。何がって、毎日続きを読むのを楽しみにしていたのに、最後らへんは読み終わるのが寂しくて、進みたくなんかないのに読むのをやめられないんです。
最後は本当に駆け足でいろんなことが詰め込まれていて、いつのまにか始まっていつのまにか「ん?終わり?」な話に慣れていた私はすっかり息を弾ませてしまいました。面白かったです。
推理小説って私の苦手なジャンルでほとんど読まないのですが、こんなに面白かったのですね。
登場人物がまた
・ある恐怖により一夜で白髪になってしまった美青年(主人公)
・これまた美しく秀才で主人公に恋心なんて持ってる先輩(男性)
・奇人の名探偵
・怪老人
・殺された恋人
・癒着双生児
・奇形のオンパレード
魅力的ですね。
双生児が男女で、女性は美しく半身を嫌っていて、男性は醜く半身に異常な執着を持っているというのもドキドキします。乱歩さんは考えることがいちいち偏執的で素敵です。だのに子供のようにわくわくするような冒険や遊び心もあって、これが彼の作品を変態じゃなくて怪奇たらしめているところなんじゃないかなーと思います。
谷崎や公房にはない無邪気さが、とても不思議に感じます。だってだって、人間椅子とかド変態みたいなことを妄想するのに無邪気って・・。
この二面性が彼の強みなのでしょう。
映像の盲獣がとても好きで、江戸川乱歩といえばこのイメージが大部分を占めていたため、今回のこの冒険チックなお話はとても新鮮でした。(盲獣はちょっと私変態かもしれないという人におススメです)
BEIsfuLG5i1nujpd7xk1QR9No1_500.jpg

とりあえず次は陰獣の予定です。
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